2016年3月22日火曜日

American Crime シーズン2 ~答えをください~

ケヴィン母テリー(Regina King)と父マイケル(André Benjamin)
American Crimeのシーズン2をビンジウォッチした結果、他のことを一切考えられなくなってしまいました。。。
American Crimeについてはエミーでレジーナ・キングが助演賞受賞したドラマ、くらいの認識で、シーズン1も見ていないのだけど、こちらのドラマ、シーズンごとにストーリーが変わり、同じキャストが違うキャラクターを演じるという、まあ、アメリカンホラーストーリーのような感じなんですね。だからシーズン1見てないでシーズン2見ても全然問題ありません。ちなみに脚本&制作は12 Years a Slave/それで夜は明けるでアカデミー脚本賞を受賞しているJohn Ridleyです。それだけでもう見たいでしょ?!
Youtube見てたらこのドラマの動画に巡り合い面白そうだったので見てみたらもうそれが最後。。。

アメリカ中西部インディアナ州の保守的な小さな町の私立高校で、とある男子生徒テイラー(Connor Jessup)の写真がSNSで出回るところから始まります。高校の売りであるバスケットボール部のパーティーで意識を失うほど酔っぱらい服もちゃんと着ていない姿の写真が出回ってしまったテイラーは学校から停学処分を言い渡される。テイラーはシングルマザーの家庭であり、経済支援を受けながら学校に通っていたために、無理をしても息子を良い学校に通わせていた母親は停学の知らせを受けて激怒し、写真の真相について息子を問いただす。そしてテイラーは母親に自分がパーティーでレイプされたことを打ち明ける。。。

テイラー(Connor Jessup)
レイプ、特に男性被害者の場合のレイプ、セクシャリティ、また人種差別、経済または社会的差別といった現代のアメリカ社会において大きな問題である事々を主に中心に取り上げています。アメリカだけじゃなくて日本にもそれは当てはまりますね。ひとつひとつの問題が今すごく重要なトピックだし、しかも問題の取り上げ方が他とはちょっと視点が違うのでとても面白い反面ちょっと一気に向き合うには重いなと感じる時も正直あるくらい、真剣に扱っているのが伝わります。

バスケ部主将のケヴィン(Trevor Jackson)とエリック(Joey Pollari
で、このドラマのすごいところは、テイラーの事件をテイラー、テイラーの母親アン(Lili Taylor)、バスケ部の主将ケヴィンとエリック、2人の両親、コーチのダン(Timothy Hutton)、また学校の校長レスリー(Felicity Huffman)といった様々な立場の視点から見ていくので、善悪、白黒がはっきりとしないんですよ。そりゃ実際襲った方が絶対に悪いんだけど、このドラマにおいてはパーティーで何が起きたのかはっきりした描写はないし、テイラー側、また事件から必死に自分たちを守ることで頭いっぱいの学校側、またテイラーを襲った人物側、の状況や視点が理解できてしまうから、誰が悪くて誰が良いっていうのが断言できないんです。それが何よりも現実的だし、とりあえず自分が物事や人々を見る目をめちゃめちゃ考えさせられる。

ドラマ内でケヴィンの母テリーが事件の話を聞いた時に「そんなのありえない。だって男は男をレイプしたりしない。」と言い放つんですね。そう思う人は世の中にいっぱいると思う。ドラマだからそんな突拍子もない事件引き合いにだすんだろうと思う人もいるかもしれない。だけど、ついこの間、去年の12月にテネシーの高校のバスケ部の上級生が新入生に対して部のしきたりとして性的暴行を加えた事件があったように、実際にそういった事件は起きているわけです。テイラーが母親に打ち明けた後、母親はテイラーを病院に連れて行ってレイプキットで検査をするシーンがあるんだけど、検査台に高校生の男子が乗っている姿って本当に考えさせられるし、見た人の意識を変えるくらいパワフルなシーンだった。のでもうとにかくみんな見てほしい。(笑)

そして、ストーリーも良くできてるのに加えて、キャストがもうとんでもなく素晴らしい。確実にストーリーよりもキャラクターで勝負の俳優の良し悪しに左右されるようなドラマなのでRegina KingやTimothy Hutton、Felicity Huffman、Lili Taylorが良いのはもう当たり前なんだけど、生徒役の若手たち、すごい、もうすごい。特にメインのConnor Jessup。次のシーズンも出てほしいです。

で!なんといってもこのドラマの1番すごい点は!なんとネットワーク放送のABCが制作&放送しているということ!!!!!つまりは地上波で全国放送されているということです。いまどき、1番面白くて評判のいいドラマはある程度自由の利く、ケーブル放送やNetflixといったストリーミング配信が多い中、この内容でなんとABC放送だと、、、何も知らないで見たら絶対ケーブル放送だと思うようなクオリティですもん。ぶっちゃけ他のネットワークドラマとは格が違います、もう土俵が違います。ABC頑張ってるなあ。シーズン1もあまり視聴率よくなかったようですが続いたということでABCに好感が持てる。わかってるわ、バウンドリー超えてるわ。

手前右John Ridley。
John Ridleyはドラマからもわかるように、ダイヴァーシティとレプゼンテーションをとても大事にしていて、ストーリーで様々な問題を取り上げる他にも、舞台裏でも、脚本家に様々な人種や、国籍、セクシャリティ、宗教を持つ人々を集めて様々な意見を取り入れたり、また監督やプロデューサーの多くが女性で制作しているそうです。
多分、今のアメリカ社会の背景に関して興味があったり知識がある人はすごく面白いと思うと思います。逆によく知らない人にしてはつかみづらいかも、そんなことないか、私もよく知らないし。。。視聴率は低いけど、批評家からの評価は高いAmerican Crimeですが、シーズン3もぜひ見たいです、、お願いしますABC。。。

あとひとつ言っておかなければいけないのは、このドラマは答えをくれません。もう全然くれません。最終話見た後には誰しもが宙ぶらりんの状態に置かれて絶望します。ついてけないくらい多くの問題提起をして、考えさせて考えさせた後に、答えくれません。なぜ答えをくれないのかは、制作側の意図は、ドラマを見れば理解できます、通じます、実際には白黒分かれた答えが出ないんだってこともわかります。答えをくれないことこそがこのドラマの意義である、のはわかります。そこがこのドラマがここまで素晴らしいわけなのもわかります。でも気になります。答えをください。。。。。。。。John Ridleyが言っていたようにこのドラマにこれといったメッセージはないのだと、見てる人に考えてもらうことが目的であり答えは重要じゃないんだということです。わかります。でも答え、欲しいです。。。。。。。

続きでネタバレれびゅー。。。。。